ド・モルガン-集合・論理の問題の解答-
集合論・論理の難関大受験数学
センター試験では、この分野は頻出です。(2015年から、センター試験は廃止され、新テストになります。)
難関大の2次試験では、集合論はやや難しく、論理命題は、対偶や背理法を使うような問題がよく出ます。講義、問題は次のリンクです。ド・モルガン-集合と論理-
集合論問題の解答
【問題1】
平面上に直線の集合\(S\)が与えられています。2点\(A,B\)が一致するか、または直線\(AB\)が\(S\)に属するとき、\(A~B\)と書くことにします。
\(S\)が次の2つの条件を満たすとき、\(S\)は平面上の全ての直線を含むことを
証明してください。
(1)\(S\)は少なくとも1組の2直線で交わる
(2)3点\(A,B,C\)について、\(A~B,B~C\)ならば、\(A~C\)である
(岐阜大)
【解答1】
(1)より、\(S\)は、点\(O\)で交わる2直線\(a、b\)を含む。
平面上の直線を\(l\)とすると、\(lとa,b\)との位置関係について、以下の3通りの場合があります。
① \(lが、a,b\)でできる\(△OAB\)を作る場合
\(A~O、O~A\)ですから、(2)より、\(A~B\)
② \(lがO\)を通る場合
\(l\)上の\(O\)点と異なる1点\(P\)を通り、\(a,b\)と\(O\)以外の点\(A,B\)で
交わる直線\(m\)を引くと、\(A~O、O~B\)より、\(A~B\)となり、
\(mはS\)に含まれます。
よって、\(O~A、A~P\)より、\(O~P\)となりますから、\(lはS\)に含まれ
ます。
③ \(lがa,b\)の1方に平行な場合
\(a//l\)とすると、\(lとB\)の交点を\(B\)とします。
\(Oを通りl\)と\(P\)で交わる直線\(m\)を引くと、②より、\(mはS\)
に含まれ、①より、\(mはS\)に含まれます。
①、②、③から、\(S\)は全ての平面を含みます。
注)抽象的で分かりにくいですが、じっくり場合分けすればできます。
【問題2】
「どんな実数\(x\)に対しても、それぞれ適当な実数yをとると、\(ax≠by\)となる」
という命題が成り立たないためには、以下の命題は、どういう条件か判定してください。
(1)どんな実数\(x\)をとっても任意の実数\(y\)にたいして、\(ax=by\)となる。
(2)どんな実数\(x\)に対してもそれぞれ適当な実数\(y\)をとれば、\(ax=by\)となる。
(3)適当な実数\(x\)をとれば、どんな実数\(y\)に対しても\(ax=by\)となる。
(4)適当な実数\(x\)をとれば、適当な実数\(y\)に対して、\(ax=by\)となる。
(東大)
【解答2】
解答のみ書いておきます。
(1)十分であるが必要ではない条件。
(2)必要でもじゅうぶんでもない条件。
(3)必要かつ十分な条件。
(4)必要であるが十分ではない条件。