関数方程式-問題の解答編-

関数方程式の問題

関数の間に成り立つ関係式を表したものを関数方程式といいます。実数で微分可能な場合が多いのですが、微分法を使って説く場合が多くあります。

関数方程式の問題の解答

【問題1】

f(x)は全ての実数で定義された微分可能な関数で、

f(x)+f(y)=f{(x+y)/(1-xy)}・・・・・①、f’(0)=1を満たすものとします。

(1)このとき、\(f’(x)=1/(1+x^2)\) であることを示してください。

(2)f(x)を求めてください。

【解答1】

①にx=y=0を代入すると、f(0)=0となります。

また、①でy=-xとおけば、f(x)+f(-x)=f(0)=0となりますから、f(-x)=-f(x)・・・②となります。

ここで、f'(x)を計算すると、①、②によって

f'(x)=\( \displaystyle\lim_{ h \to 0 } \frac{f(x+h)-f(x)}{h}\)=\( \displaystyle\lim_{ h \to 0 } \frac{f(x+h)-f(-x)}{h}\)=\( \displaystyle\lim_{ h \to 0 } \frac{1}{1+f(x+h)} \) x \(\displaystyle\lim_{h \to 0}f(\frac{h}{1+x(x+h)}) /\frac{h}{1+x(x+h)}\) ・・・・・・・・・③ となります。       h→0 のとき、\(\frac{h}{1+x(x+h)}\)→0となりますから、③から、f'(x)=\(\frac{1}{1+x^2}\) f'(0)=\(\frac{1}{1+x^2}\)・・・・・・④ となります。 従って、f(0)=0 を考えて、f(x)=\(arctan x\) となります。

【問題2】

関数f(x)が任意の実数x,yに対して

f(x+y)=f(x)f(y)・・・・・・①、f'(0)=1 を満たすとします。

(1)f(0)の値を求めてください。

(2)f(x)は、-∞<x<+∞で微分可能である事を示し、f(x)を求めてください。

【解答2】

(1)①でy=0を代入すると、f(x)(f(0)-1)=0 となります。f(0)≠1とすれば、f'(0)=1に矛盾しますから、f(0)=1 です。

(2)\( \displaystyle\lim_{ h \to 0 } \frac{f(x+h)-f(x)}{h}\)=\(\displaystyle\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)-f(x+0)}{h}\)=

\(\lim_{h \to 0} \frac{f(h)-f(0)}{h}\)\(f(x)\)=f'(0)f(x)=f(x) ・・・・・・・② となります。よって、f(x)は、全ての実数で微分可能で、f'(x)=f(x)・・・・・・③ です。ここで、y=f(x) とおけば、y’=yですから、y=f(x)=\(Ce^x\) です。f(0)=1ですから、C=1となり、f(x)=\(e^x\) となります。

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