高次方程式について-解答編-
受験数学の高次方程式
受験数学の高次の方程式は、5次くらいまでが限界です。円周等分方程式であれば、\(n \)次は解けます。
高次方程式の解法は、リンクにあります。高次方程式の解法
高次方程式の解答
【問題1】
実数係数の整式 \(P(x)\)に対して、\(x-i\)で割ったときの余りが3のと
き、 \(P(x)\)を\(x+i\)で割ったときの余りを求めてください。
【解答1】
まず、複素数\(z\)に対して、\(\overline{ z }\) を考えると、
\(z^n=(\overline{ z })^n\) が成り立ちます。
よって、\(P(x)=a_0x^n+・・・・・・・・+a_n\) とおくと、
\(P(z)=a_0z^n+・・・・・・・・+a_n=0\)ならば、
\(P(\overline{ z })=\overline{a_0z^n+・・・・・・・・+a_n=0 }\) となり
ます。
よって、\(P(x)=0の解がzなら、\overline{ z }\) も解となります。・・・・①
従って、\(P(x)を x-i\) で割った余りが、3だから、 \(P(i)=3\) となりま
す。
よって、\(Q(x)=P(x)-3\)とおくと、 \(Q(i)=0\)となり、
\(x=i\)は、\(Q(x)=0\)の解です。
①から、\(\overline{i}=-i\)も解となります。
従って、\(P(x)を x+i\) で割った余りは、3となります。
【問題2】
\(p,q\)を実数。\(q≠0\)とします。\(p+qi\)が、
方程式\(x^3+px+10=0\)の解であるとき、\(p,q\)を求めてください。 (大阪大)
【解答2】
条件より、\(x=p+qi\)を代入して整理すると、
\(p^3-3pq^2+p^2+10+i(3p^2q-q^3+pq)=0\)
\(p、q\)は実数で、\(q≠0\)ですから、
\(p^3-3p^2q+p^2+10=0\)・・・・・・・①
\(3p^2-q^2+p=0\)・・・・・・・②
②から、\(q^2=3p^2+p\)・・・・・・③
③を①に代入すると、
\(4p^3+p^2-5=0\)
よって、\((p-1)(4p^2+5p+5)=0\)
\(p\)は実数だから、\(p=1、q=±2\)
【問題3】
複素数\(1+i\)を1つの解とする次数係数の3次方程式
\(x^3+ax^2+bx+c=0\)・・・・① とします。
(1)方程式①の実数解を\(a\)を用いてあらわしてください。
(2)①と\(x^2-bx+3=0\)・・・・・②がただ1つの共通解を持つとき、 定数\(a,b,c\)を求めてください。
(静岡大)
【解答3】
計算を正確にやりましょう。
(1)\(1+i\)が①の解ですから,\(1-i\)も解となります。よって、①は、
\(x^2-2x+2\)で割り切れます。実際に割り算をして、
\(b=-2a-2、c=2a+4\) となります。
このとき、①は、\((x^2-2x+2)(x+a+2)=0\)
よって、実数解は、\(-2a-2\)
(2)①と ② が共通解を持つときは、(1)より、\(-a-2\)だけです。
よって、②に代入して、
\(a^2+2a-3=0\) から、\(a=1、-3\)
従って、\((x,y,z)=(1,-4,6)、(-3、4、-2)\)