確率の問題-難関大・解答編
確率に関する問題
難関大の確率の問題の解答を示します。余事象の考え方、条件付確率の考え方、計算の工夫の仕方が大切です。問題のリンクは、次にあります。確率の問題-難関大
確率に関する問題の解答
【問題1】 白球15個と赤球4個が箱の中に入っているものとします。この箱から球を1個とりだす操作を繰り返すものとします。取り出した球はもとにもどしません。\(n\)回目に取り出した球が3個目の赤球である確率を、\(p_n\) とします。\(p_n\)が最大になる\(n\)を求めてください。(一橋大)
【解答1】 \(p_n\)は、\(n-1\)回目までに、白球が\(n-3\)個、赤球\(2\)個を取り出し、\(n\)回目に赤球を取り出す確率です。条件から、\(3≦n≦18\)です。・・・・・・・① このもとに、取り出した球を、1列に、19個並べる順列と考え、条件を満たすものの個数を、\(a_n\)とすると、\(a_n={}_{n-1} \mathrm{ C }_2・{}_{19-n} \mathrm{ C }_1=1/2・(n-1)(n-2)(19-n)\) となります。全ての場合の数は、\({}_{19}\mathrm{ C }_4=3876\)ですから、\(p_n=a_n/3876=1/7752・(n-1)(n-2)(19-n)\)です。ここで、\(f(n)=(n-1)(n-2)(19-n)\)とすると、\(f(n)\)の最大となる\(n\)を求めればいいことになります。簡単な計算から、\(3≦n≦12のとき、f(n)<f(n+1)\)また、\(13≦n≦18のとき、f(n)>f(n+1)\) となりますから、\(f(3)<f(4)<・・・・・<f(13)>f(14)>・・・・・・・>f(18)\)となり、求める\(n\)は、\(13\)です。
【問題2】 ある硬貨を投げるときに、表と裏が出る確率を\(1/2\)とします。この硬貨を10回投げて、\(n\)回目に表がでたら、\(x_n=1\)、裏がでたら \(x_n=-1\) とします。 \(s_n=x_1+x_2+・・・・・・・・+x_n\) \((1≦n≦10)\)とおきます。 \(s_1=1かつs_10=2かつs_k=0\)となる\(k(2≦k≦8)\)が少なくとも1つ存在する確率を求めてください。 (東京大学)
【解答2】
\(s_1=1かつs_10=2かつs_k=0\)となる\(k(2≦k≦8)\)が少なくとも1つある場合の数と、\(s_1=-1かつs_10=2\)となる場合の数は同数となります。ここで、\(s_1=-1かつs_10=2\)である確率を求めると、\(x_1=-1\)かつ残りが、裏3回、表6回出る場合ですから、この確率は、\(1/2・{}_9\mathrm{ C }_3・(1/2)^3・(1/2)^6=21/256\) よって、答えは、\(21/256\)です。
【問題3】 5回に1回帽子を忘れる癖のある\(T\)君が、正月に\(A,B,C\)の3軒を順に年始周りをして家に帰ってきました。家に帰ったときに帽子を忘れたことに気がつきました.\(T\)君が2番目の家\(B\)に帽子を忘れてきた確率を求めてください。(早稲田大)
【解答3】
\(T\)君が、帽子を忘れてくる確率は、余事象を考えて、\(1-(4/5)^3=61/125\)です。また、\(T\)君が、2番目の\(B\)の家に帽子を忘れる確率は、\(4/5・1/5=4/25\)
よって、求める確率は、条件付確率を考えて、\((4/25)/(61/125)=20/61\)となります。