論証について-命題の条件、必要か十分か、あるいは?-
命題について
数学で命題と言うと、その命題が客観的に真なのか偽なのかが判定できるものを考えます。ただしゲーデルによる不完全性原理が存在しますが、入試問題では、そのようなものは考えません。ある命題は、記号を使って、p⇒q・・・・・・① というように書きます。①が明確に真であることが判定できるなら、qはpの必要条件、pはqの十分条件といいます。この逆q⇒pが真ならば、その逆で、ともに成り立てば、p、qは必要十分条件というのは基本的事項です。もし①が偽ならば、命題①については、なにもいえません。①が真であれば、\(\overline{ q}\) ⇒\(\overline{ p }\)を対偶といい、これも真になるのも基本的です。命題についての問題は、センター試験や、医学部系の小問として出題される場合がありますから、抜けの無いようにしておきましょう。
命題に関する問題
【問題1】
実数係数の2次式f(x)=\(x^2+ax+b\) について、f(1)、f(1+\(\sqrt{2}\))、f(\(\sqrt{3}\)) のいずれかは無理数であること示してください。
【問題2】
nを1以上の整数とするとき、次の2つの命題は真偽を調べてください。真のときは、その証明を、偽のときはその理由を述べてください。
(1)命題p:あるnに対して、\(\sqrt{n}\) と\(\sqrt{n+1}\) はともに有理数である。
(2)命題q:すべてのnに対して、\(\sqrt{n+1}\)-\(\sqrt{n}\) は無理数である。