複素平面-解答編-

複素数の基本

・\(z\overline{z}=lzl^2\)
・\(zが実数⇔z=\overline{z }\)
・極形式:\(z=r(cosθ+isinθ)\)
・ド・モアブルの定理:極形式で、\(z^n=r^n(cosnθ+isinnθ)\)
問題等は、次のリンクです。複素平面-ガウス平面の扱い方-

複素平面の問題の解答

【問題1】

複素平面上に0と異なる3点\(z_1、z_2、z_3\)があり、次の条件を満たしているとします。

(A)\(argz_1=argz_2+120°\)
(B)点\(z_3\)は、2点\(z_2、z_3\)を通る直線に関して点0と反対側にあります。
(C)\(△z_1z_2z_3は、正3角形です。

(1)\(α=cos60°+isin60°\)とするとき、
\(αz_1=pz_2、αz_3=sz_1+tz_2\)となる実数\(p,q,s,t\)をそれぞれ
\(lz_1l、lz_2l\)を用いてあらわしてください。

(2)\(z_3=az_1+bz_2\)となる実数\(a,b\)をそれぞれ、\(lz_1l、lz_2l\)を用いてあらわしてください。
(一橋大)

【解答1】

(1)\(αz_1、αz_2\)はそれぞれ、\(z_1、Z_2をO\)の回りに60°回転した点で
すから、3点\(az_1、0、az_2\)はこの順に1直線状上にあります。従って、
\(αz_1/lαz_1l=Z_2/lαz_2l\)となりますから、条件より、
\(αz_1=-lz_1l/lz_2l・z_2\)です。

よって、\(p=0、q=lz_1l/lz_2l\) となります。
2点\(0、αz_2\)を通る直線は、\(∠z_10z_2\)を2等分しますから、
\(αz_2/lαz_2l=z_1/lz_1l+z_2/lz_2l\) また、\(αz_2l=lz_2
l\)から、\(αz_2=lz_/z_1lz_1+z_2\)ですから、
\(s=lz_2/z_1l、t=1\) となります。

(2)\(△z_1z_2z_3\)は、正の向きの正三角形ですから、
\(z_2-z_1=α(z_2-z_1)\)

よって、\(z_3=z_1-α(z_1-z_2)
=(lz_1l+lz_2l)/lz_1l・z_1+(lz_1l+lz_2l)/lz_2l・z_2\)
従って、\(a=(lz_1l+lz_2l)/lz_1l、b=(lz_1l+lz_2l)/lz_2l\)
となります。
【問題2】

(1)複素数\(z=x+yi、x、yは実数\)を\(z+1/z\)が実数となるように
動かすとします。\(x^2+4y^3\)の最大値を求めてください。

(2)座標平面上の各点\(P(x,y)\)に対して、
複素数\(z=(x+y-1/2)+(x-y)i\)を考えます。
このとき、\(z^2・y+1/z^2\)が実数となるような点\(P(x,y)\)を求めて
ください。
(東京医科歯科大)

【解答2】

\(z+1/z\)が実数ですから、\(\overline{z}+1/(\overline{z})=z+1/z\)
これに、\(z・\overline{z}\)をかけて整理すると、
\((lz^2l-1)(z-\overline{z})=0\)・・・・・・①

よって、
①より、\(x^2+y^2=1 またはy=0\)となります。
a)\(x^2+y^2=1\)のとき、\(P=x^2・y+4y^3\)とおくと、\(-1≦y≦1\)で、
\(P=(1-y^2)y+4y^3=3y^3+y\) となり、\(dP/dy=9y^2+1>0\)
従って、Pは単調増加しますから、y=1で最大値4をとります。
b)y=0のときは、最大値は0です。

従って、最大値は、4となります。

【問題3】

平面上に直線lとl上にない点Aをとります。
直線l上に点Bを線分ABと直線lが直交するようにとり、点Bを中心として直線lを角度θだけ回転して得られる直線をmとします。

直線 l 上にない点Pをとり、直線lに関してPと対称な点をQとします。また、点Aを中心として点Qを2θだけ回転して得られる点をRとします。
このとき、線分PRの中点Mは直線m上にある事を証明してください。
(大阪大)

【解答3】

複素平面上で、lを実軸Bを原点とするとAを虚軸上の点として、A(i)とすることができます。

\(a,b,p,q\)を実数として、\(P(a+bi)、R(p+qi)とすると、Q(a-bi)\)ですから、

\(p+qi=1+(a-bi-i)(cos2θ+isin2θ)\)から、
\(p=acos2θ+(b+1)sin2θ、q=asin2θ-(b+1)cos2θ+1\)

よって、PRの中点Mの複素数は、
\(1/2・{(a+p)+(b+q)i}\)=\({acosθ+(b+1)sinθ}cosθ+i{asinθ(b+1)sinθ}sinθ\)=\({acosθ+(b+1)sinθ}(cosθ+isinθ)\)

また、mは実軸とθの角をなす直線ですから、その直線はt実数として、
\(t(cosθ、sinθ)\)であらわされます。
従って、Mは直線m上にあります。

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